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2017年6月9日、曜日は金、ロックの日になり響いたのは・・・

 強行日程でゴールドバッハ先生、リーマン先生と立て続けに訪問した彼は、数日、眠れる森の美女のように眠りを求め続けた。

実際は、そんなに美しいものではなく、糠床に沈みこみ上からしっかりと重石をされたキュウリのように彼は布団に沈みこんでいた。

2~3日間、彼の脳は、激しく音を立て休むことなく稼働し続けたわけで、

脳が稼働を止めた時には、かなりの脳細胞が破壊されてしまっていることを実感したほどだった。

稼働を止めた脳は、鏡面のような無風の湖面に似て平らでつるんとしてどこまでも無機質で無表情だった。

それはやがて、糠床に沈むキュウリの中でゆっくりと再生され元に戻っていった。

激しい運動の後、筋肉が破壊され再生するかのごとく。

ゴールドバッハ先生は、ルジャンドル先生の時よりもシンプルだった。

ところが、リーマン先生の方はというと、少々手を焼いた。

なにせ、先生の言語が理解できなかったのだ。ただ、数字だけは共通言語としての役目を果たしていた。

それは、外国語などという範疇をとうに外れ、宇宙語レベルに感じられたわけで・・・。

ともあれ、両先生とも笑顔を浮かべてくれた。

 数日後の6月9日。

この日、まさに、「ゴールドラッシュ」さながらに、BDotpにアイス光彩がドロップし、大欠泉にはサコン島が姿を現した。

そのとき、ロックの日にも拘わらず、ウィリアムテル序曲が高らかに鳴り響いた。

2017年6月9日、曜日は金だった。

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[ 2017/06/09 18:45 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

そして「カーテンの法則」

 駐輪場から見えるバイパスの上に広がる南の空は明るかった。

だが、彼の頭上とその東西そして北側の空は、単調な灰色をしていた。

雨による足止め・・・

職業的能力とでもいうのだろうか、彼の天候に関する察知能力は一般的な人のそれよりは長けていた。

ところが、この日は彼の予測に反する雨が降った。

自宅を出るとき少しパラついていた。

しかし、彼の感覚は「GOサイン」を出した。

出発して程なく雨は勢いを増した。

やむを得ずスーパーの駐輪場にエスケイプ。

夕食の買い出しを済ませ、駐輪場へ戻った彼は、念入りに空を見上げた。

しばらくして一つの結論を出した。

バッグや買い物した商品を濡らさないよう、もう一度店内へ入り大型のごみ袋を購入して帰宅しようと・・・。

そう彼が、意を決したとき雨の勢いが弱まった。

とっさに彼は、宅に向かって自転車を自こぎだした。

信号のタイミングにも恵まれ、ほぼノンストップで、あまり雨に濡れることもなく帰宅することができた。

帰宅して暫くすると勢いよく雨が降りだした。

彼は、自分の感覚と天候がここまでかけ離れ経験をしたことがなかった。

何か違和感のようなものを抱いた。

夕食を済ませたころすっかり雨は上がっていた。

軌道確認を雨に阻まれた彼は、何かの衝動に駆られてある場所へと自転車を走らせた。

そして、、「スプリヌゥード」の片道書簡をまんまと無視して、目的物を無駄のない動きで入手しその場を去った。

後は、帰宅するだけのはずだった・・・。

ところが、翌日、彼の手元には、もちろん入手した目的物はあったのだが、

「スプリヌゥード」の片道書簡もあったのだ。

そして、押し入れの衣装ケースの前には忘却された手袋がポツンとあった。

軌道確認に必要不可欠な手袋だ。雨が降らなくても軌道確認は・・・。

彼は、雨による足止め・・・の意味を理解した。

ただ、「スプリヌゥード」の片道書簡の着払いの料金が、いつもよりも安かった。

8割から9割も安かったのだ。

ただ、それだけが、いつもと違っていた。

そして、その週の日曜日、彼は「カーテンの法則」を知ることになる。








[ 2017/05/22 18:12 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

そしてトンプソンと竜実

風の強い日曜日は、母の日というもう一つの顔を持っていた。

川の春告げ鳥は、山の春告げ鳥よりもテクニシャンだった。

低い山に笹はないと書いてあったが、谷についいては書かれていなかった。

尾根沿いの畑では、鷺がスーゥと首を伸ばし、ハート形の背中で内羽を乾かしていた。

小屋は今も幹線道路沿いに佇んでいたが、堅く閉ざされていて、おばあさんの姿は、当然確認できなかったが、

そこにおばあさんの気配を感じることはできなかった。

引退したのか、亡くなったのか・・・。

奥まった不向きな場所で打撃場は今も息吹を上げていた。

少年が一人、軽くて甲高い打球音を響かせていた。

砂色の野球場も土色の野球場も健在で、どちらもダラダラとした草野球の練習が営まれていた。

路線バスの時刻表は、縦方向に極めて短く縮んでいて、午前7時台と8時台に合わせて3本のみの運航になっていた。

そして、トンプソンと竜実が・・・。

[ 2017/05/17 12:03 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

そして10K2出現

5.15。

この朝、10K2の出現で事態は一変した。

それは、44蛇ICE.Mt城に閉じ込められていた彼を開放し、次なる扉「秋マック2」の鍵を落とした。

彼は程なく、秋マック2を完食した。正午を迎えることなく。

一方、秋は、ここに終焉を迎えた・・・と思われた。

しかし、彼が、忘れものに気付き「秋マック2」へ取りに戻った時、新たな扉が口を開けた。

そして彼は、再び・・・。
[ 2017/05/15 11:48 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

そして「スプリヌゥード」の「片道書簡」

 春告げ鳥は、前回よりもはるかに上手に鳴いており、大

毛虫の背の日焼けは、横っ腹あたりまで広がっていおり、相変わらずアンバランスな立ち方を強靭な体幹で補っていた。

その夜、彼は、早めに床に就いた。

翌日の天候と山のような洗濯物に命令されるように。

翌朝、いつもより早く起床した彼は、いつもより早く山のような洗濯物を処理した。

そして、以前から気になっていたキッチンのシンク横に置かれた食器棚に水跳ね帽子で貼り付けてあったカエル柄のビニールシートの交換作業は、やがて彼を大掃除へと巻き込むことになった。

大掃除の最中、彼は、「スプリヌゥード」のことを考えていた。

正確には、「スプリヌゥード」のことというよりも「スプリヌゥード」との奇妙で理不尽な関係、

・・・というよりも、「スプリヌゥード」との奇妙で理不尽文通について。

そう、「片道書簡」についてだ。

その奇妙で理不尽な文通が始まったのは、いつだったか正確な記憶はない。

十年前までは遡らないだろうが八年前までは遡るような気がするようなしないような・・・

時期については不明瞭だがきっかけについてははっきりと記憶している。

「片道書簡」という言葉からもその奇妙さと理不尽さの欠片程度は窺い知ることはできるだろうが、

まず一つは、「片道」ということで、一方的に、「スプリヌゥード」が書いているのだ。

二つは、「書簡」ということで、手紙なのだが、意味不明、というか、はじめは普通に話が進行するのだが最後まで読み終えると意味不明になる。そんな奇妙な手紙なのだ。

いつも「それで?」と返信したくなるのだが、「スプリヌゥード」に返信できない理不尽さも兼ね備えているのだ。

理不尽といえば、三つは、「書簡」だが配達はされない。こちらが、私書箱まで取りに行くのだ。

私書箱と言ってもこちらが設けたものでない。このあたりも実に理不尽。

「スプリヌゥード」が一方的に設けた私書箱があり、といっても郵便局ではなく、

文通(片道書簡)相手が、恐らくは全国にあるだろう「スプリヌゥード」の私書箱に足を運び受け取るののだ。

そして、着払いという理不尽の極みなのだ。

この「スプリヌゥード」との「片道書簡」が、

意味不明な手紙を一方的に書き、着払いで私書箱まで足を運ばせる理不尽の極みであると理解しながら、

「なぜ、やめられないのか?」

そのことについて彼は大掃除の最中に考えていたのだ。

「スプリヌゥード」が、電話をかけてきて「お願いします。」と懇願するわけでもなく、

「スプリヌゥード」が、自宅に押しかけてきて「読め!」と強要するわけでもなく、

「スプリヌゥード」が「新しい手紙書いちゃった」とツィートしたりするわけでもなく、

「スプリヌゥード」が「新作で~す。」とインスタグラムにアップするわけでもなく、

「スプリヌゥード」が「既読して~」とラインを送り付けてくるわけでもなく、

「スプリヌゥード」が「法律作りました」と義務化するわけでもなく・・・

結局、彼の思考は、「スプリヌゥード」の「片道書簡」。

そして、大掃除はやがてトイレ掃除へと発展して終焉を迎えた。

そのとき、白い象は、やっぱり炊飯器の陰に堂々と隠れてた。

[ 2017/05/12 11:08 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)
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