~『けんたろう』のマイブログ~ TOP > 2017年08月

黄頭XO

この日、XOの目撃情報でネットは活気づいた。

新橋をホームとしているXOが、目撃されたのはやはり夕方の新橋だった。

新橋に染まり過ぎるくらい染まり、まるで新橋の景色の一部分であるかのごとくに馴染んでいるXOのスタイルは、

いつもグレー系の背広と決まっていた。

エステで泥パックでもしてそのまま出てきたのかと思わせるくらいに見事な、

そう、「ドブネズミルック」。

この日も頑ななまでにXOはグレーの背広をその身に纏っていた。

足取りも夕方の新橋に相応しく、地味で堅実そのものだ。

XOが飛ぶところなど見たこともなければ、想像すらつかない。

小股に忙しなくそして堅実に歩を進める。

それがXOだ。

その彼がどうしてネット上で一躍「時の人」になったのか。

この日、彼はいつも通りにグレイ系の背広を纏っていた。

そしていつも通り堅実に新橋を歩いていた。

背中には汗染みがあり、ライトグレーの夏背広は、ライトグレーとダークグレーが入り混じっていた。

だが、背広の中の彼が普段とは圧倒的に違っていた。

お笑い芸人が時折身に着ける被り物タイツのようなものを身に着けていたのだ。

いつもは、背広の上に頭(顔)があり、その下には首とYシャツの襟とネクタイ、そしてもちろん胸部からベルトにかけては白いYシャツ・・・

伝統の「ドブネズミルック」。

ところがである、頭からベルトまでが顔以外はすべて、すっぽりと被り物タイツに覆われていたのだ。

しかもその被り物タイツの色が鮮やかな黄色。

「イエロー」

という呼び名にぴったりの黄色。

背広の中の頭からベルトにかけては、新橋には似つかわしく、渋谷か原宿にでも出かけるのかと思わせるカラーリングだった。

後姿は、頭部だけが黄色くそのほかは「伝統のドブネズミルック」。

振り返ると、背広のの上着の中が黄色い、何とも異様な姿だった。

そしてXOは、いつも通り小股で堅実に新橋を歩いていた。

自分の異様な姿と世間騒がしさなどどこ吹く風と言わんばかりに。

もしかしてXOは、自分の姿に気付いていないのだろうか・・・。










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[ 2017/08/30 17:53 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

8・29

朝食は、トーストしてマーガリンにブルーベリージャム。

アイスコーヒーで。

昼食は、生のままちぎって缶詰のチキンの入ったタイカレー。

マンゴーラッシーで。

野菜室で涼をとり、ぐっすり眠っていた2枚の分厚い食パン。

今日は、肉の日。

それも年に一度きりの、キングオブ肉の日。

「焼肉の日」

8月29日。

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[ 2017/08/29 12:38 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

エメラルドブルーの小型車

エメラルドブルーという色が存在するかどうか、私にはわからなかったが、

あの時、バイパスで私の前方を走行する小型車が、確かにエメラルドブルーに見えた。

窓とナンバープレートにテールランプ、それと路面の上に僅かに見えるタイヤ以外、ベタっとエメラルドブルーだった。

エメラルドブルーの小型車に乗った目の細い男は、ひとつ左の車線を並走した私に不敵な視線を送った。

「わざとだな」

と、すぐに私は気付いた。

この日、出発点となった社から約15キロバイパスを西に走った地点、そこにバイパスの降り口があった。

会合の開かれる会場に向かうには、そこでバイパスを降り、市街地を約5キロ北に走行しなければならなかった。

しかし、エメラルドブルーの車を運転する男、わが社の専務であり私の上司である目の細い男は、降り口手前に来ても三車線あるバイパスの一番右の車線を走っていた。

後続していた私は、気付いていないのかと思い、エメラルドブルーの車のひとつ左の車線を並走し知らせるつもりだった。

専務には、はなから会場に向かう気はなかったようだ。

特に驚くことではない。

人を食ったようなノー天気な行動をとることは、珍しいことではない。

むしろ、当たり前のことだ。何も起こらない方が不気味なくらいだ。

私は、またエメラルドブルーの小型車の後ろを追従した。

わざとやり過ごした降り口から約15キロ西に走ったところで、エメラルドブルーの小型車は突然止まった。

何の変哲もない公園の前で。

公衆トイレで用を足す私の横に現れた専務は、おもむろに私のあそこを覗き込み、

「ちいさいのぉ」

とただ一言吐き捨てて出ていった。

夕方、会合に参加していた社の連中が、続々とこの公園に集まった。

全員が揃った。

出発だ。

夜の会合の開かれる会場に向かうのだ。

夜の会合が開かれるのは、さっき降りそこなったバイパスの降り口から東に約15キロの地点の降り口でバイパスを降り、

そこから市街地を南に約3キロ走った場所にある。

エメラルドブルーの小型車に乗った専務の気まぐれで皆、余分な移動を強いられたわけだ。

次の会場にエメラルドブルーの小型車が向かうかどうか、それすらわからない。


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[ 2017/08/28 17:31 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

コインロッカーの扉

ホームプレート近くの彼は、詰襟の学ランの上にユニホームを羽織っていた。

ベンチ前の円陣の中、1年生の彼は2ケタの背番号を背負っていた。

コインロッカーの扉の向こうに見えた光景。


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[ 2017/08/27 09:09 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

スリーイレブンの日

「スリーイレブンの日」。

駅前で配られていた号外の見出し。日付は、2017年8月26日。

コンビニのオープンチラシかと思った。

「スリーはエフで、イレブンはセブン。」

よく見ると、組み合わせが微妙に違っていることに気付く。

ゆめまぼろしのみなもと、「ライコウテツ、ギケイウマ」。

ごうせんのぶでん「ノブゲンウマ」。

フクヒキ、ドロップ、コバン。

この日、早朝、持ち込まれたキャッチャーミットを補修した。

色は黒。使った道具は大小2つのペンチだった。





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[ 2017/08/26 17:20 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

レディー・クリッパーの年齢

「レディー・クリッパーの年齢を知りたいだって?」

「おいおい、女性の年齢をきくとは、随分と野暮な時代になっちまったもんだぜ。」

「OK!いいだろう。」

「レディー・クリッパーの年齢を知りたいときは・・・ボールの数を数えるのさ。」

「そう、1・2・3・・・って具合に。」

「それから、それに1をかけて、1で割って、1をひく、そいでもって1を足さない。」

「ああ、そうだ。1をかけて、1で割って、1をひく。ここまでくると1を足したくなるのが人情ってもんだろうが、そこはグッと我慢するんだ。」

「よーく考えてみなよ。年齢だぜ。それもレディー・クリッパーのだ。」

「言ってる意味は分かるよなぁ。そうだ。レディーの年齢だ。一つでも少くねぇ方がいいに決まってる。こいつも人情だ。そうだ女心っていうやつよ。」

「どうだい。難しか゚ぁねぇだろう。」

「おっと、いけねぇ。言い忘れるとこだったぜぇ。」

「レディー・クリッパーの年齢を考えるときには例のBGMをわすれるじゃねぇぞ。」

「最近巷で流行ってるあれだ。そうだ。おかっぱ頭でミニスカートの男を二人従えて振り向きざまに・・・。」

「そうだ。ボールを数えて1をかけて、1で割って、1をひく。そして、振り向きざまにその数を口ずさむ。もちろんBGMに合わせて。」

「そいつがレディー・クリッパーの年齢だ。」


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[ 2017/08/24 10:12 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

「蚊」、「陶器」、「ヨマサ」ウィーク

それは、蚊が少なく、蜘蛛と豪雨の多い夏の出来事だった。

2017年8月第3週。

100番街では、

「蚊」、「陶器」、「ヨマサ」、3つのフェスが開催された。

一方、193番街では、

「蚊」、「陶器」、「ヨマサ」、3つのフェスが開催された。

2017年8月第3週に。

翌週月曜日、獅子唐型したスーちゃんPマンが投入された。

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[ 2017/08/21 07:57 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

八羽の鳥、半分の象

八羽の鳥、半分の象。

イッキュウサン、9時の喜び。

足に蚊が、「よして」る。幾夜千眼。

その夕暮れと呼ぶには、少しまだ早いお盆過ぎの17時。

大きな少年と小さな少年、そして口笛吹とイヌが通り過ぎた。

まだ生きているらしい。

小さな少年は同じ色と口にする。

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[ 2017/08/18 18:06 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

T八の旅

T八の旅。

フォントならセンチュリー。

A-tkhcは、A-bk東南北も桶。

雨模様にピアノ、個の性か類の性か。

いずれにしても佐賀ではない。

白い象は、キッチンの炊飯器の裏。


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[ 2017/08/15 17:50 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

喫茶店

「ロイヤルミルクティー、ホット」駅前喫茶店。

テーブルの上ゴールドのガスライター、誰かさんの忘れ物。駅ナカの喫茶店。

ぐっしょり汗かきグラスの中、氷の解けたミックスジュースは、飲み残し。



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[ 2017/08/14 08:52 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

930円

 「930円」。

人類史上、最も美しくそれでいて、優れて、この上なく均整の取れた価格は存在しない。

売り手も買い手も、あるいは代理店や仲介業者、果ては傍観者も含めたありとあらゆる人が納得してしまう価格、

それが 「930円」。

地球上のすべての価格が「930円」だったら、きっとあらゆる問題は解決されるに違いない。

なぜなら、「930円」は、時代や洋の東西にかかわらず、

人類史上最高難度を誇るとされてきた問題をこれまでに解決してきたからだ。

そして、その件数たるや天文学的なものになる。

私もその星の中の一つに過ぎない。

夏場に飲用するペットボトルのコーヒーの内容量も偶然930mlらしい。




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[ 2017/08/12 09:25 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

滲んだ「円周上の2点に関する命題」

「円周上の2点に関する命題」という文章。 

それは、万年で書かれたものだろうということは、用紙から容易に推測できた。

それもインクは、水溶性。ところどころ液体がかかり文字が滲んでいた。

「円周上の2点に関する命題

円周上にA,Bという異なる2点が存在し、

運動の質は概ね似ているが若干の違いがあるものの、

ともに円周上で反時計回りという同一方向性を持って運動している。

A,Bはそれぞれ意思を持っており、AはBに追いつこう(Bを捕まえるあるいは触れる)としている。

A,Bの間には優劣が存在する。

このとき、

(以下、数行インクの滲みが酷く判読できない)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」





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[ 2017/08/11 08:21 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

「アセミズタラシテ、」、そのあとの言葉

アセミズタラシテ、」

受話器の向こうの声は、そこまではハッキリと聞き取ることができた。

アセミズタラシテ、」

と受話器の向こうから聞こえた男の少しカタコトの言葉の続きを遮ったのは、

金網の向こうの滑走路を飛び立ったジェット機の轟音だった。

アセミズタラシテ、」

と受話器の向こうの男が話したとき、ジェット機が頭の真上を通過したのだ。

受話器を当てていない方の耳を手で塞ぎ懸命に受話器の向こうの声を拾おうとした。

ジェット機の轟音は、徐々に遠退き既に消え去っていた。

電話も既に切れていた。

轟音の中、懸命に拾った音の記憶を慎重に紡いでいた。

アセミズタラシテ、」は、「汗水たらして」なのだろうか。

汗水たらして、クロズキノコガヒット・・・ベンツが・・・」

「苦労好きの子がヒット・・・ベンツ(ベンチ)が・・・」

あるいは、

「黒好きの子がきっと・・・ベンツが・・・」

それとも、

「黒頭巾の子がピット・・・ベンツが・・・」

受話器の向こうの声は、何と言っていたのだろうか。

紡いだ音の記憶は、いつまでも曖昧に耳の奥に残った。

KUMO運ぶ風の強い暑い2017年夏の出来事だった。

座りの悪い立ち方をする毛虫の日焼けした背中の赤味も既に失せ、背中には数本の棘が刺さっていた。

棘の先端は、濃い赤色で花でも咲いているかのようだった。

それにしてもKUMAじゃなくてKUMO?

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[ 2017/08/08 19:38 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

ナットの相棒最後の日のこと

「ドン!!」

ハムの日になる6時間前。

2017年は、「トンテキ」だった。

そして、ハムの日になって2時間後、白い象は水浴びをした。

ナットの相棒最後の日のことだ。

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[ 2017/08/06 05:32 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

白い3本線

白い3本線は、既に遥か眼下に。

そして、それは、既に白くはなかった。

黒い髪は、既に遥か上空に。

そして、それは、既に黒くはなかった。

魚は、ジーンとハリス。

3つの音達。

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[ 2017/08/04 11:39 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)
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