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じいちゃんの頭は朝日のように眩しかったがさわやかではなかった

12月の寒い金曜の昼下がり、インスタントコーヒーを啜りながら僕は遠い少年時代に思いを巡らせていた。

ふと視線を落とすと、「彼女が来ない」と友人の佐々木からのラインが。

木曜のものだ。

そう言えば…佐々木が一方的に思いを寄せている女性を食事に誘ってOKをもらったと少し前のラインで知らせてきていたことを思い出した。

佐々木のことだ、きっとめかしこんで高級なレストランでもリザーブしたのだろう。

「全く脈はないらしい」ことが周知のことだとその女性の知人を知る別の友人の話で僕は知っていた。

その後、佐々木からの連絡がないところをみると彼女は来たのだろう。

結果は別として。

 そんなことより、12月の寒い昼下がりにインスタントコーヒーを啜りながら僕が思いを巡らせた少年時代の話とは・・・、

授業中の教科書に出てきた「進化論の画」のことだった。



「猿だった人間が二足歩行になったり、体毛がなくなったりと進化してやがて現代のような姿になった的な話」を左から右に画にしたあれだ。

その授業の時僕は、一番右の現代人のその右にじいちゃんの画を付け加えた。

なぜって、じいちゃんの頭はハゲていたからだ。

じいちゃんの頭に毛はなく、落書きのお約束頭の周りに光を表す点々が描かれていたことは言うまでもない。

現代人からさらに体毛(頭髪)がなくなったじいちゃんがもっとも進化した人類だと思ったからだ。

ことの前後は覚えてないが、クラスメイトのフンチの家に遊びに行ったとき、僕はちょっとした迷宮に迷い込んだことも思い出した。

フンチの父ちゃんもハゲていたのだ。

僕の父ちゃんは、まだ剥げてない。

フンチの父ちゃんは進化しているのに僕の父ちゃんは・・・。

子供心に不安を感じた。

当時の僕の中には、「子供・大人・年寄」というざっくりとしたコテゴライズのような世代分けがあったようだ。

その夜、布団の中で僕は悶々と思いを巡らせた。

進化の過程で必要なくなったから体毛がなくなった的なことを先生は言っていた。

父ちゃんには必要でじいちゃんやフンチの父ちゃんに必要ない。

「この差って何だ?」

そんなことに思いを巡らせながら布団の中で僕はいつしか眠りに就いていたようだ。

翌朝、僕はさわやかな朝日の中、眠い目を擦っていた。

じいちゃんの頭は朝日のように眩しかったがさわやかではなかった。

大人になった今もその答えは闇の中。






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[ 2016/12/16 15:26 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)
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