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そしてコロナのこと

彼は、秘境から戻ると閉め切られていた家中の窓という窓のすべてを開け放した。

途端に外で吹き荒れていた春の強風が、堰を切ったように家に飛び込んできたと思うとあっという間に吹き抜けていった。

そう言えば、、秘境でコロナの姿を見かけることはとうとうなかったな。

どうやら、出発に間に合わなかったようだ。

コロナが、まるで予期せぬことでも起こったかのように慌てふためいてバタバタと出掛けた様子や、

程なく肩を落としとぼとぼと家に戻った姿が、リアルに浮かぶから可笑しなものだ。

きっとコロナは、命の次に大切なハットも忘れていたに違いない。

まったくコロナとは、そういう奴なのだから・・・

と思いながら、彼は冷蔵庫から冷えたビールを取り出して、窓の下に停めてある古ぼけたコロナに目をやった。

秘境帰りのビールは、新鮮な空気同様に格別だった。

飲み干したビール瓶のラベルは、もちろん・・・コ・ロ・ナ。




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[ 2017/04/13 17:50 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)
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