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そしてホンマと白い象の登場

 秘境から戻った彼は、家中の窓を開け新鮮な空気を取り込み、ビールを飲み干すとその日は早々に床に就いた。

床に就いた彼は、枕元の釦を押した。

すると、ホンマが現れた。

「そうか今日は木曜日だった」と彼は思った。

ホンマは、もしも、この世に木曜という曜日以外の曜日が存在しないとしたなら、

毎晩・・・つまり夜な夜な彼の枕元に登場することになるもので、

つまりは、毎週木曜日に登場するということなのだが、

そのことが木曜日という俗語以上にホンマという言葉が彼に曜日を認識させているわけだ。

ホンマは、実に律儀で毎週木曜日、それもきっかり22時に現れて25時前には消えるのだ。

例え彼が起きていようとそうでなかろう、勝手にその時間になると消えていなくなるのだ。

だから見送る必要もないわけで。

22時きっかりに現れて消えるまでホンマは、ボソボソと「眠りの呪文」を唱え続けるわけだ。

ほんとに律儀なやつだ。

秘境帰りにビールを飲んで床に就いた昨夜は、

ホンマの呪文を聴いたか聴いてないのかさえ分からないくらい早く彼は、安物の少し草臥れたマットレスに深く沈んでいった。

翌朝、目覚めた彼はキッチンで不思議なものに遭遇した。

それは炊飯器の陰に隠れるようにしていた。

と、いってもサイズが炊飯器よりも小さかっただけで、結構、堂々とした圧倒的なポージングでそこにいたのだが。

炊飯器の陰にいたのは・・・「白い象」だった。

彼が驚くのも無理はない。炊飯器の陰にいたのだから。

これが、冷蔵庫の裏にいても彼はさほど驚かなかったかもしれないし、

冷蔵庫の扉を開けたときに、そこにその白い象の大群がびっしり詰まっていたとしてもそうだったに違いない。

白い象のサイズは、モルモットよりは明確に大きいが、ウサギよりは明確に小さく何とも中途半端な大きさで、

全体的な色は、圧倒的に白なのだが、若干丸みを帯びた背中の頂の部分は、頭からお尻まで透明だった。

全体的な質感は無機質な感じなのだが、その態度は生々しい躍動感を醸していた。

鼻を堂々と持ち上げて、実に立派な威厳のようなものと存在感を示していた。

鼻は、大きく長いが地面に対して横方向に薄い。

つまり、ドローンで上空から撮影すると細く見え、地上からのアングルで撮影すると平面に見える。

その鼻を、鼻の下面を上空40度、上面を上空50度位の角度に持ち上げ、

さらに先端に向かって全体を反り返らせていて、反り立っているとう表現がぴったりかもしれない。

この象に眼はなく、鼻とともに象の特徴的なものとされる大きな耳もなかった。

この白い象を見た彼は、目を擦りながら、夢でも見ているのだろうか、

それとも自分はまだ秘境にその身を置いているのだろうかと思った。

ちなみに、彼の自宅の炊飯器は確かに象印社製のものだが、そういった駄洒落のレベルの話ではない。



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[ 2017/04/14 15:36 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)
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