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そしてクラヴィーアのBWV825とルジャンドル先生

 どうやら彼は、白い象の背で眠り込んでしまったようだ。

枕元からクラヴィーアのBWV825。

「あの時と同じだ・・・。」

シンクロ。

彼は、ルジャンドル先生と再会した。約1年振りに。

先生は唐突に、

「4が加わったが、元来4は存在していたし、5,7,9のグループではなく、4のグループに収まった。」

「つまりは、何もなかったに等しい。」

「4,5,7,9の数字が(4)、(5,7,9)、偶数と奇数とに上手く分かれている。実に美しいではないかね。」

「3105が、(5)を。つまり5は共通項。」

「そしてあなたが(1,3,9)を・・・。5はなくて当然じゃな。」

「残りは、異端児の(0)と偶数の(2,4,6,8)、偶然とは思えないほど最高の三角関係を成している。完璧だよ。」

そう言い終えると先生は、ティーカップにそっと手を伸ばし静かに口元に運び紅茶を啜った。

彼は、ポケットに忍ばせていた紙切れを先生に手渡した。

「P31(KUNI)コード 2016」

という文字の下に緑とオレンジに色分けされたバーコードようなものだった。

先生はそれを受け取るとおもむろに頭の上に載せてあった眼鏡を鼻の上に下ろして紙切れに視線を送った。

先生はすぐに顔を彼に向けた。

そして一言、

「ありがとう。ネーミングも最高だね。完璧だよ。」

と、やさしく彼にハナマルの微笑みを送った。

その間、クラヴィーアのBWV825はずっと流れていた。

気付くと彼は、寝室の布団の中にいた。

先生にボールパークの話をしてあげるのを忘れていたことを、ふと、彼は思い出した。

いや、もしかすると・・・

同時に彼は、何かを思い出していた。

先生は白い象でボールパークに移動していたのかもしれない。

そして、ボールパークにいたリトルリーグの子供たちに

「ファールラインは何本かね?」

ときっと尋ねた。

そう、昔、彼が、少年野球をやっていたころに野球場で見慣れないおじいさんに

「ファールラインは何本かね?」

と、尋ねられ、

「2本です。」

と帽子をとって毬栗頭で元気よく丁寧に答えたあの時のように・・・。

見慣れないおじいさんは、やさしく微笑んで、

まるで(「そうじゃ、3本目は必要ない」とでも言っているかのように)うんうんとゆっくりと頷いていたことを。

その時、白い象は、やっぱり炊飯器の陰に堂々と隠れていた。

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[ 2017/04/28 11:24 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)
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