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そして「スプリヌゥード」の「片道書簡」

 春告げ鳥は、前回よりもはるかに上手に鳴いており、大

毛虫の背の日焼けは、横っ腹あたりまで広がっていおり、相変わらずアンバランスな立ち方を強靭な体幹で補っていた。

その夜、彼は、早めに床に就いた。

翌日の天候と山のような洗濯物に命令されるように。

翌朝、いつもより早く起床した彼は、いつもより早く山のような洗濯物を処理した。

そして、以前から気になっていたキッチンのシンク横に置かれた食器棚に水跳ね帽子で貼り付けてあったカエル柄のビニールシートの交換作業は、やがて彼を大掃除へと巻き込むことになった。

大掃除の最中、彼は、「スプリヌゥード」のことを考えていた。

正確には、「スプリヌゥード」のことというよりも「スプリヌゥード」との奇妙で理不尽な関係、

・・・というよりも、「スプリヌゥード」との奇妙で理不尽文通について。

そう、「片道書簡」についてだ。

その奇妙で理不尽な文通が始まったのは、いつだったか正確な記憶はない。

十年前までは遡らないだろうが八年前までは遡るような気がするようなしないような・・・

時期については不明瞭だがきっかけについてははっきりと記憶している。

「片道書簡」という言葉からもその奇妙さと理不尽さの欠片程度は窺い知ることはできるだろうが、

まず一つは、「片道」ということで、一方的に、「スプリヌゥード」が書いているのだ。

二つは、「書簡」ということで、手紙なのだが、意味不明、というか、はじめは普通に話が進行するのだが最後まで読み終えると意味不明になる。そんな奇妙な手紙なのだ。

いつも「それで?」と返信したくなるのだが、「スプリヌゥード」に返信できない理不尽さも兼ね備えているのだ。

理不尽といえば、三つは、「書簡」だが配達はされない。こちらが、私書箱まで取りに行くのだ。

私書箱と言ってもこちらが設けたものでない。このあたりも実に理不尽。

「スプリヌゥード」が一方的に設けた私書箱があり、といっても郵便局ではなく、

文通(片道書簡)相手が、恐らくは全国にあるだろう「スプリヌゥード」の私書箱に足を運び受け取るののだ。

そして、着払いという理不尽の極みなのだ。

この「スプリヌゥード」との「片道書簡」が、

意味不明な手紙を一方的に書き、着払いで私書箱まで足を運ばせる理不尽の極みであると理解しながら、

「なぜ、やめられないのか?」

そのことについて彼は大掃除の最中に考えていたのだ。

「スプリヌゥード」が、電話をかけてきて「お願いします。」と懇願するわけでもなく、

「スプリヌゥード」が、自宅に押しかけてきて「読め!」と強要するわけでもなく、

「スプリヌゥード」が「新しい手紙書いちゃった」とツィートしたりするわけでもなく、

「スプリヌゥード」が「新作で~す。」とインスタグラムにアップするわけでもなく、

「スプリヌゥード」が「既読して~」とラインを送り付けてくるわけでもなく、

「スプリヌゥード」が「法律作りました」と義務化するわけでもなく・・・

結局、彼の思考は、「スプリヌゥード」の「片道書簡」。

そして、大掃除はやがてトイレ掃除へと発展して終焉を迎えた。

そのとき、白い象は、やっぱり炊飯器の陰に堂々と隠れてた。

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[ 2017/05/12 11:08 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)
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