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重要な一塁ベースと評判のモモ肉

「一塁ベースを踏んでなかったらしいな?」

「レフト線の打球でスリーベースヒットは、なるほどおかしいと思ったんだよ。」

「一塁ベースを踏むことは、とても重要なことだ。」

試合は8回、0-0。

「ところで、保新田の店には、もう行ったのか?」

「ああ、行ったよ。あの入口が全面ガラスの大きな扉の店だろう。」

「じゃあ、評判のモモ肉は、食ったんだな。」

「いいや。食っちゃいない。」

「食っちゃいないが、入口の全面ガラスの大きな扉を押し開けて、フロアまで足を踏み入れた時に、入口の全面ガラスの大きな扉から差し込む陽光に照らされたのを見たよ。それで評判通りの逸品だってことは十分に分かったよ。」

大きなな扉に相応しく広々とした店内には、人々の輪ができていた。





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[ 2017/09/05 11:06 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

彼女は言った

「季節は秋。」

「イギリス辺り。」

「海よりも美しい山。」

「そこで縦笛を吹いてみたいの。」

と彼女は言った。

ニューヨークの秋という言葉を聞いたことはあるが、イギリスには四季はあるのか、それともないのか。

そんなことすら僕は知らなかった。

イギリスの山の名前一つすら知らなかった。

それになんでイギリスの美しい山で、しかも季節限定でわざわざ縦笛が吹きたいのだろう?

英語をやっと習い始めた中学生の僕にそもそもなぜ彼女はそんなことを言ったのだろう。

山型のイギリス食パンが、何か言いたそうにしている。

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[ 2017/09/01 18:48 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

枯れ葉のハイヒール

凛と立った枯れ葉のハイヒールは、入道のいなくなっり少し薄くなった青い空を見上げていた。

その間にした秋の空気と夏の日差しを青々とした葉がひらひらと切り裂いき、

枯れ葉のハイヒールの頭上を通り過ぎ地面に落ちた。

彼が若い女性とこたつを届けに来た日、スーパーでさんまが店頭に並んでいた。


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[ 2017/09/01 00:03 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

黄頭XO

この日、XOの目撃情報でネットは活気づいた。

新橋をホームとしているXOが、目撃されたのはやはり夕方の新橋だった。

新橋に染まり過ぎるくらい染まり、まるで新橋の景色の一部分であるかのごとくに馴染んでいるXOのスタイルは、

いつもグレー系の背広と決まっていた。

エステで泥パックでもしてそのまま出てきたのかと思わせるくらいに見事な、

そう、「ドブネズミルック」。

この日も頑ななまでにXOはグレーの背広をその身に纏っていた。

足取りも夕方の新橋に相応しく、地味で堅実そのものだ。

XOが飛ぶところなど見たこともなければ、想像すらつかない。

小股に忙しなくそして堅実に歩を進める。

それがXOだ。

その彼がどうしてネット上で一躍「時の人」になったのか。

この日、彼はいつも通りにグレイ系の背広を纏っていた。

そしていつも通り堅実に新橋を歩いていた。

背中には汗染みがあり、ライトグレーの夏背広は、ライトグレーとダークグレーが入り混じっていた。

だが、背広の中の彼が普段とは圧倒的に違っていた。

お笑い芸人が時折身に着ける被り物タイツのようなものを身に着けていたのだ。

いつもは、背広の上に頭(顔)があり、その下には首とYシャツの襟とネクタイ、そしてもちろん胸部からベルトにかけては白いYシャツ・・・

伝統の「ドブネズミルック」。

ところがである、頭からベルトまでが顔以外はすべて、すっぽりと被り物タイツに覆われていたのだ。

しかもその被り物タイツの色が鮮やかな黄色。

「イエロー」

という呼び名にぴったりの黄色。

背広の中の頭からベルトにかけては、新橋には似つかわしく、渋谷か原宿にでも出かけるのかと思わせるカラーリングだった。

後姿は、頭部だけが黄色くそのほかは「伝統のドブネズミルック」。

振り返ると、背広のの上着の中が黄色い、何とも異様な姿だった。

そしてXOは、いつも通り小股で堅実に新橋を歩いていた。

自分の異様な姿と世間騒がしさなどどこ吹く風と言わんばかりに。

もしかしてXOは、自分の姿に気付いていないのだろうか・・・。










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[ 2017/08/30 17:53 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

8・29

朝食は、トーストしてマーガリンにブルーベリージャム。

アイスコーヒーで。

昼食は、生のままちぎって缶詰のチキンの入ったタイカレー。

マンゴーラッシーで。

野菜室で涼をとり、ぐっすり眠っていた2枚の分厚い食パン。

今日は、肉の日。

それも年に一度きりの、キングオブ肉の日。

「焼肉の日」

8月29日。

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[ 2017/08/29 12:38 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

エメラルドブルーの小型車

エメラルドブルーという色が存在するかどうか、私にはわからなかったが、

あの時、バイパスで私の前方を走行する小型車が、確かにエメラルドブルーに見えた。

窓とナンバープレートにテールランプ、それと路面の上に僅かに見えるタイヤ以外、ベタっとエメラルドブルーだった。

エメラルドブルーの小型車に乗った目の細い男は、ひとつ左の車線を並走した私に不敵な視線を送った。

「わざとだな」

と、すぐに私は気付いた。

この日、出発点となった社から約15キロバイパスを西に走った地点、そこにバイパスの降り口があった。

会合の開かれる会場に向かうには、そこでバイパスを降り、市街地を約5キロ北に走行しなければならなかった。

しかし、エメラルドブルーの車を運転する男、わが社の専務であり私の上司である目の細い男は、降り口手前に来ても三車線あるバイパスの一番右の車線を走っていた。

後続していた私は、気付いていないのかと思い、エメラルドブルーの車のひとつ左の車線を並走し知らせるつもりだった。

専務には、はなから会場に向かう気はなかったようだ。

特に驚くことではない。

人を食ったようなノー天気な行動をとることは、珍しいことではない。

むしろ、当たり前のことだ。何も起こらない方が不気味なくらいだ。

私は、またエメラルドブルーの小型車の後ろを追従した。

わざとやり過ごした降り口から約15キロ西に走ったところで、エメラルドブルーの小型車は突然止まった。

何の変哲もない公園の前で。

公衆トイレで用を足す私の横に現れた専務は、おもむろに私のあそこを覗き込み、

「ちいさいのぉ」

とただ一言吐き捨てて出ていった。

夕方、会合に参加していた社の連中が、続々とこの公園に集まった。

全員が揃った。

出発だ。

夜の会合の開かれる会場に向かうのだ。

夜の会合が開かれるのは、さっき降りそこなったバイパスの降り口から東に約15キロの地点の降り口でバイパスを降り、

そこから市街地を南に約3キロ走った場所にある。

エメラルドブルーの小型車に乗った専務の気まぐれで皆、余分な移動を強いられたわけだ。

次の会場にエメラルドブルーの小型車が向かうかどうか、それすらわからない。


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[ 2017/08/28 17:31 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

コインロッカーの扉

ホームプレート近くの彼は、詰襟の学ランの上にユニホームを羽織っていた。

ベンチ前の円陣の中、1年生の彼は2ケタの背番号を背負っていた。

コインロッカーの扉の向こうに見えた光景。


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[ 2017/08/27 09:09 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

スリーイレブンの日

「スリーイレブンの日」。

駅前で配られていた号外の見出し。日付は、2017年8月26日。

コンビニのオープンチラシかと思った。

「スリーはエフで、イレブンはセブン。」

よく見ると、組み合わせが微妙に違っていることに気付く。

ゆめまぼろしのみなもと、「ライコウテツ、ギケイウマ」。

ごうせんのぶでん「ノブゲンウマ」。

フクヒキ、ドロップ、コバン。

この日、早朝、持ち込まれたキャッチャーミットを補修した。

色は黒。使った道具は大小2つのペンチだった。





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[ 2017/08/26 17:20 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

レディー・クリッパーの年齢

「レディー・クリッパーの年齢を知りたいだって?」

「おいおい、女性の年齢をきくとは、随分と野暮な時代になっちまったもんだぜ。」

「OK!いいだろう。」

「レディー・クリッパーの年齢を知りたいときは・・・ボールの数を数えるのさ。」

「そう、1・2・3・・・って具合に。」

「それから、それに1をかけて、1で割って、1をひく、そいでもって1を足さない。」

「ああ、そうだ。1をかけて、1で割って、1をひく。ここまでくると1を足したくなるのが人情ってもんだろうが、そこはグッと我慢するんだ。」

「よーく考えてみなよ。年齢だぜ。それもレディー・クリッパーのだ。」

「言ってる意味は分かるよなぁ。そうだ。レディーの年齢だ。一つでも少くねぇ方がいいに決まってる。こいつも人情だ。そうだ女心っていうやつよ。」

「どうだい。難しか゚ぁねぇだろう。」

「おっと、いけねぇ。言い忘れるとこだったぜぇ。」

「レディー・クリッパーの年齢を考えるときには例のBGMをわすれるじゃねぇぞ。」

「最近巷で流行ってるあれだ。そうだ。おかっぱ頭でミニスカートの男を二人従えて振り向きざまに・・・。」

「そうだ。ボールを数えて1をかけて、1で割って、1をひく。そして、振り向きざまにその数を口ずさむ。もちろんBGMに合わせて。」

「そいつがレディー・クリッパーの年齢だ。」


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[ 2017/08/24 10:12 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

「蚊」、「陶器」、「ヨマサ」ウィーク

それは、蚊が少なく、蜘蛛と豪雨の多い夏の出来事だった。

2017年8月第3週。

100番街では、

「蚊」、「陶器」、「ヨマサ」、3つのフェスが開催された。

一方、193番街では、

「蚊」、「陶器」、「ヨマサ」、3つのフェスが開催された。

2017年8月第3週に。

翌週月曜日、獅子唐型したスーちゃんPマンが投入された。

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[ 2017/08/21 07:57 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)
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