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そして大毛虫

そして、いよいよ・・・

「ショウエイ」を漁で入手した彼は、春告げ鳥の鳴き声が共鳴する樹々のトンネルをくぐり軌道確認に出かけた。

山頂では大毛虫が、少し黒みを帯びた濃艶な紅色の背を薄水色の空に向け日光浴をしながら佇んでいた。

ちょうど陽が真上からの当たる部分だけが、まるで日焼けでもしているかのように下の方は濃い緑色をしている。

大毛虫は、奇妙な立ち方をしていた。

アルファベットのL字をちょうど90度、それもわざわざ座りの悪いだろう方向に回転させたようにだ。

こんなアンバランスな格好でよく倒れないものだと、大毛虫の体幹の驚異的な強さに呆れながらも素直に感心した・・・

そんなことを思い出しながら彼は、内海を渡り南の大陸を巡り、

もう一度、内海を渡り西の大陸を闊歩していた。

「ヨシキュウ」とは、二つ前の大陸で分かれていた。、W・ディーア城のある大陸だ。

あんなにクッキリとして極太で揺るぎなかっただった輪郭が、

遮るものがなくなり、距離が縮まるにつれ反比例的に次第にぼやけていき、やがてそれはついに消滅してしまった。

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[ 2017/05/09 16:38 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

そしてヨシキュウ

GW終盤、弾丸ツアーを敢行していた彼は、スゥイートチルドレン(通称:スゥイチル)のW・ディーア城の門前である問題に直面した。

W・ディーア城は、ある条件を満たさなければ入城許可がおりなかったのだ。

門前の表示によると・・・

「スゥイチル出身で千樹通貨を有する者を含まないグループには、入城を許可できません。 W・ディーア城主」

眼下に広がる湖と呼ぶにはあまりも広大な水面を眺めながら、彼は門前でしばし黙考した。

「GWといってもあれは確か谷間の出来事だったな。谷間・・・」

先日、鯛工船に乗り「ショウエイ」を手繰り寄せた漁のことを思い起こしながら。

その時、門前脇のある物に彼は気付いた。

「ガイド紹介所」

彼は、紹介所の扉を開け中に入った。

紹介状を一枚提示することで、ガイドを一人紹介してくれるらしい。

この弾丸ツアーの要所で二枚の紹介状を彼は手に入れていた。

ただし、指名や希望は受け付けていない。

どんなガイドにあたるかは、分からない。まさに運任せのくじみたいなものだ。

GWの繁忙期に厳しいかとは思ったが、彼は意を決した。

「これでダメでも、もう一回チャンスはある。」

紹介所の窓口で係員に紹介状を一枚手渡した。

係員の対応は迅速だった。

受付脇の扉から一人の男が姿を現した。

彼は、男を見るなり、

(「ジョニー・H⁉」・・・ある知り合いのことが頭に浮かんだ。理由はすぐにわかった。ハットだ。)

男はブラウン系の縦縞スーツに同じ生地のつばの広いハットを被っていた。

髭尻のピンと跳ね上がった口ひげと、その服装やいで立ちから、凛々しさとダンディズムを醸し出していた。顎髭はない。

「はじめまして、ヨシキュウです。」

と、男は彼に挨拶した。

(ヨシキュウ?某牛丼チェーンのような名前だなと思った。)

「ご出身は、どちらですか?」

「スゥイチルです。」

男は、淡々と答えた。

彼は、逸る気持ちを抑えつつ、次の質問を口にした。

「失礼ですが、千樹通貨は、お持ちでしょうか?」

彼は、固唾をのんで返事を待った。

男の答えを聞くまでの数秒もない時間が彼にはとても長いものに感じられた。

「はい。持っています。」

男の返事を聞いた彼は、

「よろしくお願いします。」

と、笑顔で手を差し出し、男と握手を交わした。

そして彼の姿は、ヨシキュウと共にW・ディーア城へと消えていった。

そして、いよいよ・・・

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[ 2017/05/07 07:35 ] 散文集 | TB(0) | CM(1)

そして鯛工船

2,017年5月2日、彼は鯛工船の上にいた。

それは、正午を少し過ぎたころの出来事だった。

漁最終日、時間的猶予も残り1時間弱、

彼は、昔、映画で観た魚と格闘する老人ほど鬼気迫るといった状況ではなかったものの、

それなりの緊張感のようなもの感じていた。

彼は、網を慎重に手繰り寄せた。手応えと確信に満ちた網捌きで。

その手応えと確信は、直ぐに網の中で確かなかたちとなって姿を現した。

狙っていた「ショウエイ」が甲板の上で勢いよく跳ねていた。

G週間に相応しく、キラキラと黄金色の輝きを放っていた。

彼は、クリームパンを齧った。

そして、洋上の五月晴れの空を見上げながら、

「洗濯物の乾きが楽しみだ。」

と笑みを浮かべたとき、

今朝、洗濯用洗剤と漂白剤を使い切ったことを思い出した。

「そうだ、新しいものをおろさなくちゃ。」

彼は、錨を上げ帰路に就いた。

「ショウエイ」を手繰り寄せたことで、次回にはさらにパワーアップするだろう鯛工船で。


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[ 2017/05/02 12:49 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

そしてクラヴィーアのBWV825とルジャンドル先生

 どうやら彼は、白い象の背で眠り込んでしまったようだ。

枕元からクラヴィーアのBWV825。

「あの時と同じだ・・・。」

シンクロ。

彼は、ルジャンドル先生と再会した。約1年振りに。

先生は唐突に、

「4が加わったが、元来4は存在していたし、5,7,9のグループではなく、4のグループに収まった。」

「つまりは、何もなかったに等しい。」

「4,5,7,9の数字が(4)、(5,7,9)、偶数と奇数とに上手く分かれている。実に美しいではないかね。」

「3105が、(5)を。つまり5は共通項。」

「そしてあなたが(1,3,9)を・・・。5はなくて当然じゃな。」

「残りは、異端児の(0)と偶数の(2,4,6,8)、偶然とは思えないほど最高の三角関係を成している。完璧だよ。」

そう言い終えると先生は、ティーカップにそっと手を伸ばし静かに口元に運び紅茶を啜った。

彼は、ポケットに忍ばせていた紙切れを先生に手渡した。

「P31(KUNI)コード 2016」

という文字の下に緑とオレンジに色分けされたバーコードようなものだった。

先生はそれを受け取るとおもむろに頭の上に載せてあった眼鏡を鼻の上に下ろして紙切れに視線を送った。

先生はすぐに顔を彼に向けた。

そして一言、

「ありがとう。ネーミングも最高だね。完璧だよ。」

と、やさしく彼にハナマルの微笑みを送った。

その間、クラヴィーアのBWV825はずっと流れていた。

気付くと彼は、寝室の布団の中にいた。

先生にボールパークの話をしてあげるのを忘れていたことを、ふと、彼は思い出した。

いや、もしかすると・・・

同時に彼は、何かを思い出していた。

先生は白い象でボールパークに移動していたのかもしれない。

そして、ボールパークにいたリトルリーグの子供たちに

「ファールラインは何本かね?」

ときっと尋ねた。

そう、昔、彼が、少年野球をやっていたころに野球場で見慣れないおじいさんに

「ファールラインは何本かね?」

と、尋ねられ、

「2本です。」

と帽子をとって毬栗頭で元気よく丁寧に答えたあの時のように・・・。

見慣れないおじいさんは、やさしく微笑んで、

まるで(「そうじゃ、3本目は必要ない」とでも言っているかのように)うんうんとゆっくりと頷いていたことを。

その時、白い象は、やっぱり炊飯器の陰に堂々と隠れていた。

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[ 2017/04/28 11:24 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

そして新童鰍

再会を果たしたといっても、RCとは4・22深夜JTが初対面で、

その日は、軽い自己紹介と社交辞令的なあいさつ程度で、実質初対面に等しいわけなのだが。

なぜ、RCに再会しに来たのかは、MCM-2であることが程なく分かった彼は、

「なるほど」

と、納得した。それは、「やっぱり」に近い納得だった。

その初対面に等しい再会の場で、RCのことがよく分かった。

その手助けをしてくれたのが馴染のというか既知のドクターとSG、二人の存在だった。

RCは、情熱的でエネルギッシュなドクターと、柔和でおっとりとして懐の深いSG、

この二人を足して二で割ったような、まさに二人の中間に存在していたからだ。

ドクターとSGそれぞれの良いところをを抽出して、

(その日の気分によってはと前置きをしておくが)

ドクターとSGそれぞれの「灰汁」になりそうな部分を取り除いたら完成したのがRCといった感じだ。

つまり、今日はドクターに会うには、あのテンションはちょっとキツイかな、

かと言って、SGに会うには、あの雰囲気はちょっと落ち着き過ぎて物足りない、

そんな日に会うには打って付けなのがRCで、日常的には最も会いたい日が多いのがRC、

というよりもそうでないと、彼の日常はバランスを崩した危ういものということになってしまうだろう。

これまでドクターとSGで賄われていた彼の日常の一部、その残りの大半をRCは賄える存在なのかもしれない。

大半というと言い過ぎかもしれない、今週は、ドクター、来週は、SGというローテーションが、

先々週はドクター、先週はRC、今週はSG、来週はRC・・・

といった具合かもしれない。

風貌的にも三者三様で、風貌的分布図の上に三人を置いてみるとちょうど正三角形を形成しそうだった。

そんなことを考えながら、白い象の背中に乗って帰宅くしていた彼は、

偶然、「新童鰍」を見かけることになった。

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[ 2017/04/27 11:33 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

そしてRC

「春支度」という言葉が存在するのかしないのか・・・おそらくは存在しないのだろうが、

とにかく春の訪れを前に、その準備のさらに前段階としての「冬支度」の解除とでも呼べばよいのかそんな雑事の合間に、

彼は、4・15JR42に玄関前から漂う餃子のにおいに思わずニューヨークでのセントルイスの途中ではあたっが、

栞を挟み読みかけの小説を閉じるかのように帰宅した続きをつまりは、

読みかけでしおりを挟んで閉じた小説を再び開くかのように、4・15JR42のニューヨークに戻りセントルイスの続きを・・・

とも思ったのだが、

結局は、4・22深夜JTに戻っていた。

まるでやわらかいボールがテーブルから落ちポン、ポン、ポンと弾みながら転がっていくように。

そこに意思の作用する余地のようなものはなかった。

もちろん、炊飯器の陰に堂々と隠れている白い象も一緒に。

そして、彼は、身体能力が高く守備範囲の広い、精悍で力強く柔軟さも兼ね備えたRCに再開を果たした。

「理想的なセンターフィールダーのようだ」

と彼は、思わずもらした。

まるでニューヨークのボールパークにいるかのように。



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[ 2017/04/25 10:07 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

そして立つ花2輪

大きな蘭、1000の中に銀と茂って立つ花2輪。

チョウセイ、タケゾウ、リュウシン。

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[ 2017/04/24 12:52 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

そして猫じゃらしのネコとノラ

朝から青い空が広がっていた。

彼は、2をクリアして3をオープンして、猫じゃらしのネコをそっと送り出してやった。

一方の猫じゃらしのネコの方はというと、興奮を抑えられない様子でバタバタと飛び出していった。

そして、風の強い晴天の下、ノラに出くわしある興味深い話を聞いた。

猫じゃらしのネコを送り出した彼は、午後のティータイムまでにエピソードの前後をきっちり五線の内に収めた。

もちろんキッチンでは、白い象が、炊飯器の陰に堂々と隠れていた。

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[ 2017/04/19 10:34 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

そしてドラゴンMTリュウシンとキャロットハウス

タケゾウがダイヤモンドで旗とサウンドロゴのその夜、

ドラゴンMTリュウシンもまたダイヤモンドで旗とサウンドロゴした。

もちろん、大乱戦で横丁にはキャロットハウスがにょっきりでまたまた旗とサウンドロゴした。

キャロットハウスのオーナーは、もちろんウサギでもウマでもなく、猫じゃらしのネコだった。

白い象は、やっぱり炊飯器の陰で堂々と隠れていた。




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[ 2017/04/18 11:37 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)

そしてどぶくさいキュボロ

「どぶくさいキュボロ」といってもキュボロがどぶくさいという話ではない。

朝、目覚めた彼は、

「※@%#$*~どぶくさい!!

とハッキリと寝言を言っていたと妻に言われた。

とりわけ、「どぶくさい!!」は、明確に地力強く言ったと。

夢を見ていたという明確な記憶が彼にはあった。

夢の内容は曖昧ではあったが、

「※@%#$*~どぶくさい!!

という台詞の登場しそうな内容ではなかったような曖昧でいて、明確な自信が彼にはあった。

彼は、昨夜就寝前の出来事を思い出した。

洗面台の排水溝がどぶくさかった。

妻が下着を替えているとき、

「どぶくさい」

と言った彼に妻は、

「失礼な!」

と切り返す安っぽいコントのようなやり取りがあったのだ。

彼の頭の中にキュボロが完成した。

彼が「※@%#$*~どぶくさい!!」という台詞を言ったという内容の夢を見たのは妻だと・・・。

彼の頭の中のスロープトイを通り抜けたビー玉が見事に穴に入り、

達成感を示す旗が立ち上がり、例のサウンドロゴが達成感を祝福した。

猫は、今日も飽きることなく猫じゃらしに踊らされる。

そう言えば今日、星だったタケゾウがダイヤモンドになった。

その時再び旗が立ち上がり例のサウンドロゴが彼を祝福した。

こいつも正に大乱戦。






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[ 2017/04/17 10:40 ] 散文集 | TB(0) | CM(0)
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